珈琲生豆は生きている!

 ホームでも使っているブラジルヨシマツビーベリーの15年物の生豆だが、温度20度、湿度50%の豆蔵で熟成保存して久しい。その豆が、発芽条件をクリアすると、あっという間にこのように発芽する。残念ながら、パーチメントではなく、脱穀してあるので、それ以上成長することはない。脱穀によって、生命が生育するための重要な酵素群な失われてしまっているからだ。それでも、このように発芽する姿には生命の驚異を思い知らされる。
 珈琲を焙煎することは、このように生きている豆から、それぞれの人に合った旨みを引き出すのが目標になる。従って、珈琲豆を焙煎することは、ただ、珈琲豆に熱を加えることではない。豆を収穫するときから,すでにその準備が始まっていると言っても良い。
 珈琲豆は農産物なので、そもそも常にその育った環境に影響され,常に変化している。
 珈琲チェリーから果肉を取り去るにも、そのやり方はいろいろだ。その後の豆の乾燥の仕方にも繊細だ。へたをすると黴びてしまい,毒性をもつことさえある。上手く保存すると、珈琲豆のなかにもっている生命の源の酵素が、発芽のためのエネルギーであるデンプンをすこしずつ変化させ、絶妙な旨みをつくりだす。
 焼く前に、どう処理するかによってもできあがりが大きく異なるのだ。
 熱をかけ始めると,それは酵素反応ではなく、化学反応の世界になる。反応生成物が、珈琲の味や香りを決めていく。その環境に大きく作用するのは圧力だ。
 中川スプーンは傑作だ。しかし、正圧に対しては,目で見えるが、負圧はモニターできない。

 そこで、私には高精度の圧力計が必要になる。どのくらいの精度が必要かは、0.01Paくらいだ。どのくらいの圧力かというと、10cmの高度差による空気圧の差を計れるくらいか。

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